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執筆者の写真益子晃人

あの日の宝物

更新日:2023年8月15日

住宅業界に入り

構造もよく解らず営業をしていた頃、いろいろあってその会社を離れることに。


急だったこともあり、次に勤める先も決まらぬまま無職生活に。

バブル崩壊後の超氷河期時代…

けれども、収入を得なければと、学生時代のバイト先にお願いしてしばらくお世話になった。


そんな時に出会った工務店さん


コンビニや紳士服売り場、イベントスタッフをしながら食い繋いでいた時も前職の大先輩はいろいろ気遣って下さり、ある工務店さんの完成見学会におじゃまさせて頂くのでした。


そこは、いわゆる輸入住宅な趣きで統一感のとれた仕上がりは、今でいうアーキテクトビルダーさん!

在来のお風呂に無垢板貼り。特徴的なのももちろんでしたが、なによりびっくりしたのが現場の図面でした。

社長さんは、「どんなことがあってもすべての図面を描き上げないと絶対に契約はしない。」

たしか、そんな風に仰られていました。

様々な拘りを若かった自分には、きっと半分も解っていなかったかもしれません。

たくさんお話をしてくださったように覚えていますが、その社長さんにお会い出来たのは、その一度限り…


それでも大先輩のお陰様で、その後たくさんの図面をお借りすることができました。

その時の一部がこちら



私の図面ではないのでボカシを入れさせていただきましたが、とにかく衝撃の図面でした!



図面というより絵本!

基本的にすべてパースで描かれているんです。

誰が見てもワクワクする図面。 元々、図工や美術が好きだった自分にはこれ以上の世界感はありませんでした。



その後、

現場中心の業界に入り、

そして、実家に戻り…

いつしか宝の持ち腐れのようになっていましたが、やっぱり仕事上では宝物です。



自分が設計者となった今、

構造と意匠を検討する身となっている。


いつの間にかCADを使えるようになり、

自らの手で描くという時間がとれていないことに気づかされた。


設計という作業を改めて見つめ直してみようと思う夏の日。


自分らしい現場

自分らしい設計

自分に納得できることもう一度チャレンジしてみようと思うのです。


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